BOSEのフルレンジスピーカーには謎の回路が内蔵されているらしいので、ちょうど取り付け場所を変更するついでもあり、もう20年近く愛用のBOSE101MMを分解してみました。


これが噂のBOSEの電球回路です。実物を見るのは初めてです。

コネクション
本来のフルレンジスピーカーフルレンジスピーカーは、本来ならネットワーク回路も何も必要ありません。アンプの出力をスピーカーユニットのボイスコイルへダイレクトに接続すればいいはずです。またその余計なモノを介さなくても済むことがフルレンジスピーカーのメリットの1つでもあるはずです。
回路構成と機能アンプとスピーカー間にLCR(共振)回路が直列に挿入されている構成です。そして何故かコイルに電球が直列接続されています。この回路の予想される機能は、LC共振周波数近辺の音量を少し抑制して相対的に低域と高域の音量を大きくするイコライザ回路(聴覚補正?)として働きます(たぶん)。また電球は小電流時には抵抗が小さく、電流が大きくなりフィラメントが加熱されると抵抗が大きくなるという性質があり、この性質を上手く利用して、印加される電力(音量)によってイコライザ(補正)の掛かり具合をダイナミック(動的)に変更すること(一種の自動制御)が可能となります。また上述しました電球の性質により、過大入力時におけるスピーカー保護回路としても機能しているのかも知れません。
有る/無しでの試聴この電球入りイコライザ回路を通した時とスピーカユニットにダイレクト接続した時の比較試聴をしてみました。僕は長年デフォルトの状態(イコライザ回路あり)で聴いていたせいで耳が毒された?からかも知れませんが、僕の好みでは、やはり、この回路があった方がいいです。無いと多少すっきりとした音にはなりますが、やや平坦で無機質な感じになってしまいます。
追記:『パッシブダイナミックイコライザー』と言うらしいですUSPとIPDLでボーズの特許がありました。発明の名称は『パッシブダイナミックイコライザー』とあり、発明の目的は「人間の聴覚特性を補償した良好な再生特性が得られるパッシブダイナミックイコライザーを提供する」とのことで、あくまでもイコライザ(聴覚補正)であり、過大入力保護機能についての請求項はありませんでした。ちょっと意外です。公開特許全文を下に置いておきます。
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