最近のちょと気になるニュースの続き。
今回はここ最近で夢のあるニュースを集めてみた。
富士通研究所が何でも電源トランジスタ技術を開発
株式会社富士通研究所は、銅やガラス、プラスチックなど、平面状の物質なら何にでも電源トランジスタの作製が可能な技術を開発しました。酸化亜鉛(ZnO)系の材料を用いて対象となる物質の上に高耐圧の電源トランジスタを作製し、トランジスタのチャネル部分をポリマー被膜で保護することによって、高耐圧での動作を実現しました。本技術により、あらゆる平面状の物質への電源回路の作製が可能になります。また、センサーや圧電素子などへ応用することも可能です。http://japan.internet.com/webtech/20101203/3.htmlhttp://pr.fujitsu.com/jp/news/2010/12/3.htmlこれは友人から教えてもらったネタ。ミソは、材料としてインジウムガリウム酸化亜鉛(IGZO)を使い、トランジスタのチャネル部分をポリマー被膜で保護(絶縁)することのようだ。更に改良を加え高耐圧化で低オン抵抗化を進め電源用トランジスタとしての実用化を目指すとのこと。非シリコン系トランジスタの実現、楽しみだ。ただ、絶縁膜の関係でゲート容量が大きいので高速化は難しそうに思う。スピードを必要としないオンオフ制御のような簡単なスイッチング用途から実用されるのだろう。
酸化亜鉛に限らず金属酸化物ってまだまだ随分と奥が深そうに思う。
これまた富士通研究ネタ、光と熱から発電できるハイブリッド型発電デバイスを開発
富士通研究所は、光と熱のいずれからも電力を取り出せる、新しいハイブリッド型の発電デバイスを開発した。これにより、従来は別々のエネルギー源として利用していた光と熱を1つの発電デバイスで利用でき、光環境と熱環境という2倍の環境で発電可能となった。また、従来はそれぞれのエネルギー源に対応する発電デバイスを複数組み合わせる必要があり、コストが高くなるという課題があったが、安価な有機材料の使用により製造コストが大幅に削減できるメリットもある。今後は、ハイブリッド素子の性能向上と量産化技術の開発を行い、2015年頃の実用化を目指す。 http://www.kankyo-business.jp/news2010/20101209a.htmlhttp://pr.fujitsu.com/jp/news/2010/12/9.htmlこれまた面白い。簡単に言うと、太陽電池とゼーベック素子(ペルチェ素子の逆モード)をドッキングしたようなもの。これで効率があがれば画期的だと思う。この年末に凄い研究成果を立て続けに発表している富士通。
富士通の株買っておこうかなあ。
日立製作所が半導体材料に注入した電子のスピン流の制御観測に成功
株式会社日立製作所の欧州における研究開発拠点である日立ヨーロッパ社日立ケンブリッジ研究所をはじめとする国際研究チームは、ガリウムヒ素系の半導体材料を用いて、電子がもつ磁石の性質であるスピンの流れ(スピン流)を電流と同様に制御・観測することに成功しました。本技術は20世紀の産業を発展させた電子の電荷の流れ(電流)を利用するエレクトロニクス技術に対して、電子が持つもう一つの性質であるスピンを利用するスピントロニクス技術に道を拓く成果です。将来の社会インフラにおける大幅な省電力化・高機能化や量子コンピュータをはじめとする科学の新たな発展に貢献することが期待されます・・http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2010/12/1224.html従来のエレクトロニクスは(自由)電子の流れを利用したきた。これは電子のもう一つの性質であるスピン流を活用しようというもの。いよいよ量子コンピュータに一歩近づいたのか。
はやぶさカプセル内の微粒子が小惑星イトカワ由来のものと判明
小惑星探査機「はやぶさ」搭載の帰還カプセルにより持ち帰られた微粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察および分析した結果、1,500個程度の微粒子を岩石質と同定いたしました。更にその分析結果を検討したところ、微粒子の鉱物の成分比率が隕石の特徴と一致し、地球上の岩石と合わないことから、そのほぼ全てが地球外物質であり、小惑星イトカワ由来であると判断するに至りました。
http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/hayabusa/index.shtmlhttp://www.jaxa.jp/projects/sat/muses_c/index_j.html久しぶりに夢のあるニュースだった。仕分けか何か知らんけど、未来に繋がる極めて重要な研究開発費をケチる前に、もっと見なおさなければならない無駄が沢山あるように思うが・・